ウズベキスタン・トルクメニスタン証明書
Regulations
ウズベキスタン(UZ)及びトルクメニスタン(TM)の通関、認証プロセスは次の二つに大別することができます。
1.通関関連 ・ Customs Clearance Process by IBRAKOM
- 政府登録 Registration
- 通関認証 Certificate of Conformity
- 通関実務 Customs Clearance
- 国内運送 Local Delivery
2. 安全認証 ・ Safety Certificate: ただし下記の名称は便宜的なものです
- 電気品防爆 Electrical Exproof by PROMYSHLENNAYA BEZOPASNOST
- 圧力防爆 Pressure Exproof by SANOSTGEOTEKHNADZOR
- 測定機器の精度 Metrology Pattern Approval
- 耐火性能 Fire Safety
- 衛生証明 Hygiene Declaration
- その他該当する証明 Others where applicable
すべての設備に安全認証が必要なわけではありません。Not all devices need safety certificates.
Principles 通関と認証の原則
1.ウズベキスタン及びトルクメニスタンの技術基準は旧GOSTに基づいています。これはEACと基本的に同じですが、大きな違いは、UZ, TM両国では税関に到着した貨物についてのみ試験、認証が行われる、いわゆる現物認証BATCH CERTIFICATIONを前提としています。
2.この原則は電気防爆や圧力防爆(便宜的名称)などの安全認証もおなじです。つまり前もってコンサルはできますが安全認証取得はできません。しかし、いったん政府登録された機器については、同じ契約、同じ受荷主であれば次の入荷から安全認証手続きが簡略化されます。
安全認証・Safety Certificate by GOST
GOSTシステムについて
- ウズベキスタン及びトルクメニスタンは安全認証にGOSTシステムを採用しています。例え政府機関から安全認証の要求がなかったとしても、詳しいデータはメーカーしか出す事ができません。したがって、メーカーがGOST基準通りのデータを提出できる様に準備をして置く必要があります。
- GOSTが要求するデータはさほど特殊なものではなく、マニュアル、完成品試験報告、仕様書、図面など日本のクライアントが普通に提出されているものばかりです。ロシア語への変換はこちらで行うことができます。
政府登録、証明書取得、通関に必要な書類
証明書は型式証明とバッチ証明がありますが、型式証明は自社を政府登録する等ハードルが高く、バッチ証明を取得するのが現実的です。バッチ証明を取得するには以下の書類が必要です。
1.運送状 Waybill
2.日本の輸出申告書
3.設備明細(契約書と矛盾しないもの)
4.インボイス
5.パッキングリスト
6.原産地証明
7.納税証明
通関に必要な証明書のサンプルを以下に示します。ウズベキスタンの証明書(右)はロシア語で書かれています。いっぽうのトルクメニスタンは現地語で書かれています。この証明で通関、搬送、設置まで行う事ができます。現物証明ですから契約書ごと、あるいはシップメントごとに必要です。設備の終生有効です。

MPA証明書(測定器の精度証明)・ウズベキスタン
METROLOGY PATTERN APPROVAL (MPA)証明書
メトロロジー証明は、測定装置に求められる精度の証明です。GOSTシステムでは、この証明は5年有効の型式証明で、政府のレジスタに登録されると、証明書にあるモデルはその後の試験・証明プロセスを5年間免除されます。トルクメニスタンではその通り実施されています。しかしウズベキスタン(UZ)のメトロロジーは異なります。
1.最初にUZにエントリーするとき製品試験がUzgostに認定を受けたラボラトリーにより行われます。 この試験は設備の据え付け後審査官が工場に出向いて行います。工場もしくはコンサイニーはメトロロジー機関に対し、必ず認証を受けるというGUARANTEEレターを提出し設備を通関し据え付けを行います。
2.証明書の有効期限は概ね1年で期限内にPrimary Verification(公的校正)を行わなければなりません。期限満了時には延長手続きをすることができます。
3.同じ製品が別の契約あるいは、別のユーザーに出荷される場合、もう一度認証を取得する必要があります。つまり普通に言う型式証明ではありません。ただし、この場合試験は基本的に免除されます。最初に製品がウズベキスタンにエントリーするとき実物試験があります。これは政府より認定を受けた会社、例えばALFA TESTINGなどが設置後工場へ出向き行います。準備書類は下記の通りです。
- 図面、仕様書、マニュアル、校正方式の説明書、対象製品リスト
- 測定レンジ、誤差、表示単位の情報が必要
- Field of Useによっては防爆証明書の提示要求ある可能性
- 検査サンプル数は1個以上とされています。対象としては温度計、圧力計、振動計、レベル計など測定システムが含まれます。単にオンオフするだけの機器は対象ではありません。
- 試験サンプルは稼働中の現物検査ですから原則不要です。検査員が現地の工場へ出向き試験を行います。
- もし特定の設備内に同じものが10台使われている場合、1台だけを試験するという建前です。しかし前頁のPrimary Verificationは10台全部に行います。
安全認証・電気防爆
電気防爆とは便宜的名称で、UZ, TM両国にはElectrical Exproofという名称はありません。その機器がDangerous Zoneに設置された場合、電気スパークや高熱により爆発を引き起こさないという安全証明です。PROMYSHLENNAYA BEZOPASNOSTという政府機関が担当します。具体的にはガス工場、石油精製施設等に用いられる電気機器の証明ですがGOST規則ですから、下記のようなデータを準備する必要があります。
- ATEX, IEC-EXなどの国際防爆証明、あるいはTRCU-012証明
- どのように防爆を担保しているかという設計情報(図面)
- 製品仕様書、全体図面、マニュアル
- 完成品試験報告
- 実際には上記のデータをいただきPROMYSHLENNAYA BEZOPASNOSTのエキスパート(検査官)の判定を受けます。実物試験はありません。
- シリアル番号の入った製品ラベルが求められる場合があります。
安全認証・圧力防爆
ここでいう圧力防爆証明とは、その機器が設計圧力に耐え、爆発を引き起こさないという証明です。具体的には圧力容器、バルブ、ボイラー、パイプなどを意味します。この証明を取得するには、直径、動作圧力、メディアの種類などのデータが必要です。実際には現地より必要書類等の連絡があります。
- 圧力容器、バルブ、パイプについては直径、圧力、メディアの種類
- ボイラーについては容量、溶接仕様)
- 使用鋼材のグレード
- 図面、マニュアル、完成品試験報告
- その他、審査官が要求するデータ
- 管轄官庁 Sanoatgeokontehnazorat
- GOST規格の為、現地で発行されている書類には動作圧0.07MPa以上となっています。
現地に圧力防爆証明Pressure-proof Certificateという名称があるわけではなく、一般名としてはSafety Certificateと称されています。
テクニカルパスポートへの記載事項、あるいは準備書類として次のように規定されています。多くはメーカーさんから入手でき、あるいはマニュアルに記載されている情報です。しかし該当しないもの、不必要なもの、現地設置後しかわからないものもあります。圧力容器と限定してありますが、ボイラー、バルブも対象となります。

QUALITY CERTIFICATE
設備により生産者品質証明という書類が要求される場合があります。事前に現地より連絡があり、用紙サンプルも送られてきます。
生産者ご自身が作成されるもの
- 受発注番号 PO#, CONTRACT#
- インボイス番号 INVOICE NUMBER
- 生産年 YEAR OF PRODUCTION
- 新品・中古品情報 USED OR NEW
- 設計の基礎となる国際基準名 Int’l Standard JIS規格等
第3者機関3rd Partyが発行するもの(ただし該当する場合のみ)
- ISO9000
- ATEX/IEC-EX
- その他の第3者機関による証明書
すべての設備に必要なわけではなく、必要な場合はこちらからお知らせします。
Mutual Recognition – Foreign Certificate
外国の証明書の受け入れ FOREIGN CERTS ACCEPTABLE?
UZBEKISTANの政令では、外国の証明書を受け付けるとなっており、その中には日本も入っています。これは外国の証明書があればフリーパスになるという意味ではなく、例えばヨーロッパのATEXを証拠書類の一部として受け付けるという意味です。一方トルクメニスタンと日本にはそういう合意がありません。
HS CODEの重要性
ウズベキスタン、トルクメニスタンでは、到着した製品にどういう安全証明が必要かを第一義的にはHSコードで判定します。HSコードは10桁のものを用いますが、まずは日本で使用されているHSCODEをお知らせください。そのコードに基づき現地でそのコードが適正かを判定します。またHSCODEより、どのような安全証明が必要か、あるいは必要ないか、こちらで判定できます。